手放せない果てのゴミ屋敷! 強迫性障害とは何か
強迫性障害とは
強迫性障害とは、特定の思考や行為を自分の意に反して繰り返してしまう精神疾患です。別名、強迫神経症とも呼ばれます。症状にはいつも同じ思考に捕らわれる「強迫観念」と、同じ行為に捕らわれる「強迫行為」があり、いずれも本人の意思に関係なく繰り返されます。 たとえば外出した後、細菌が付着しているという強い不安(強迫観念)を感じてしまい、帰宅してから石鹸やアルコール消毒剤で肌が荒れるほど手を洗ってしまう(強迫行為)のも、強迫性障害のひとつです。他にも、外出した後で家の鍵を掛けたか不安になってしまい、家に戻って確認しなければ気が済まないとか、会社や学校に行くのに忘れ物がないかどうか1時間以上掛けて確認を繰り返すとか、いろいろな事例があります。 最近、社会問題になりつつあるゴミ屋敷についても、強迫性障害を原因とするケースがあるようです。必要な時に必要な物が手元になかったらどうしよう!という強迫観念に支配され、手元にある物を手放せないという強迫行為を繰り返すと、その延長線上にゴミ屋敷が生まれます。手放すことが恐い「保存強迫」でゴミ屋敷ができる
強迫性障害の内容には次のようなものがあります。厚生労働省が調査したデータをもとに、強迫観念と強迫行為を挙げておきます。- 汚染への不安(洗浄や掃除)
- 人や自分を傷つける不安(孤立傾向)
- 正確性への執着(確認する)
- 数字への執着(数を数える)
- 対称性への執着(儀式行為)
- 無用なものへの執着(保存する)
- その他